【宝塚記念】ゴールド&横山典ド迫力

 「宝塚記念・G1」(29日、阪神)

 天皇賞・春7着からの巻き返しを期すゴールドシップの2週前追いに、新コンビの横山典が駆け付け“初合体”を果たした。11日、栗東坂路でのファーストコンタクトは大成功に終わったが、いつ走る気をなくすか分からない“クセ馬”だ。レース史上初の連覇を目指し、次週も調教に騎乗して信頼関係を深めていく。なお、僚馬のジャスタウェイは道悪決戦となった安田記念Vの疲労が考慮され、回避することが発表された。

 単純明快な須貝師の言葉が、“初合体”の印象を真っすぐに表していた。「すごい迫力やったな。追っていないのにすごかった」。

 今年のダービージョッキーを背にゴールドシップは朝一番の栗東坂路を駆けだす。相性の良さはすぐに見て取れた。首はこれでもかと前に伸びる。横山典の上半身は目立つアクションをひとつも見せない。へそを曲げると頑として人に従わなくなることもあるクセ馬が、ベテランの安定した騎座に完全にコントロールされていた。

 併走したエーデルグランツ(3歳未勝利)の直後でぴたりと折り合い、中腹の緩いカーブを抜けて頂を臨むと一気に加速。鞍上の手綱は変わらず持ったままで、楽に抜け出して1馬身先んじた。14秒7‐13秒7‐12秒7ときれいに尻上がりのラップを刻み、全体時計で4F53秒3‐12秒2を刻んだ。

 「かわして行く時、ラストの伸びがいいね。休み明けだが“さすが”という感じ。身のこなしもいいし、なかなか力強い。想像以上に良かった」。東の名手の評価は大絶賛だった。ただ、やはり気性の話になれば慎重だ。「それだけは分からないね。『クセ馬に乗せたら(うまい)…』なんて、よく言われるけど、ちょっと他とは違う」。そして「来週も来る予定」と、可能な限りコンタクトを取っていくことを宣言した。

 力を出し切れば…の前提なら勝利を確信できることは分かった。いかに力を出し切らせるかが焦点になる。手の内に入れる2週間と半分。宝塚記念史上初の連覇を目指す、本当の意味での戦いが始まった。

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