【エプソムC】ディサイファ重賞初V
「エプソムC・G3」(15日、東京)
激しいゴール前の競り合いを頭差退けた2番人気のディサイファが、待望の重賞タイトルを手に入れた。香港遠征からの帰国初戦となったマイネルラクリマが2着に奮闘。3着には59キロを背負った8番人気のダークシャドウが伸びてきた。1番人気のマジェスティハーツは、最後方から直線で内をついて追い上げたが6着に敗れた。
じわじわと力を付けてきたディープ産駒の素質馬が、5歳にしてようやく待望のタイトルを手にした。
好スタートから、中団のインで折り合いを付けたディサイファ。「3コーナー手前からインコースは荒れているからね。行きたくないけど、内枠(1番)だったので腹をくくった」と振り返る四位。直線で馬場の中央へ持ち出すと、タムロスカイとマイネルラクリマの間に進路が開いた。最後はラクリマとの熱のこもった一騎打ちとなったが、鞍上のステッキに応えると、ゴール手前で頭差かわした。
全6勝のうちコンビで4勝目となった鞍上は「一瞬、前が狭くなってもたもたしたが、前が開いてからは将雅(川田)の馬(2着マイネルラクリマ)に自分から襲いかかった。抑え切れないぐらいの闘争心があったのが良かったね」と相棒の強靱な精神力に勝因を求め、したたり落ちる大粒の汗をぬぐった。
「大人っぽくなってきたのでこれからでしょう。夏を越せば本物になる可能性がある」と小島太師。次走については「得意の洋芝へ行くかも」と話し、函館記念(7月20日・函館)や札幌記念(8月24日・札幌)を視野に入れる。その結果次第では秋のG1挑戦も現実味を帯びてくる。
トレーナーが「G2かG3を使って、そこで(次を)考える」と楽しみにすれば、主戦も「大事にしてきた馬なので、もっと上でやってほしい」と腕をぶす。実りの秋へとつなげる走りを、夏の北海道シリーズでも見せてほしい。