【宝塚記念】ゴールド史上初連覇へ充実
「宝塚記念・G1」(29日、阪神)
変化を受け入れること。全ては、そこから始まった。以前のゴールドシップは、駆けっこが大好きな少年のようだった。だが、今は違う。楽しさとは表裏一体の苦しみも激闘を重ねる中で味わってきた。芽生えた自我、学習能力の高さが、集中力を途切れさせる要因。そう言えるかもしれない。
変化した気持ちにアプローチする術として、まず陣営はブリンカー(昨年の有馬記念から)を選択。そしてこの中間はシャドーロールをプラスして、調教に臨んでいる。「集中してくれているように思います」。新たに装着した馬具の効果もあって、精神的にも充実している、と今浪厩務員は話す。
もちろん、メンタル面の安定は、鍛え抜かれた肉体なしでは望めない。2週続けて新パートナーの横山典が追い切りに騎乗し、一体感も生まれた。「追い切っても体が減らないのは、しっかりカイバを食べていることと、調子がいいからでしょう。前走(天皇賞・春7着)は、具合が良かった分、悔しいという思いが上乗せされた感じです。阪神の直線の坂がこの馬には合っていますし、ゴールドシップの競馬をしてほしい。そう思っています」と今浪厩務員は胸の内を明かした。
前走は、スタートで立ち遅れたことが全て。阪神コースでは、昨年の宝塚記念制覇を含めて〈4・1・0・0〉と崩れを知らない。史上初の連覇へ‐。黄金の脚が再び輝きを放つ。