【宝塚記念】ゴールド連覇で金字塔
「宝塚記念・G1」(29日、阪神)
連覇への最終トレーニングは小雨の中。28日朝の栗東CWへ芦毛の船はこぎ出した。軽いキャンターを1周で切り上げたゴールドシップ。淡々としたフットワークの内に闘志を静かに押し込めた。
27日朝の栗東坂路でラスト1F13秒9。直前の馬場入りは当初1周半とする予定だったところ、前日にやや早めの上がりを出したことを受けて1周までに短縮したという。
微妙な環境の変化を馬は感じ取る。「雰囲気が全然違ってきたね。きょうは立ち上がったりしなかったけれど、周りを気にしながら歩いていた。張り詰めた感じ?うん、スイッチが入ってきたね」。今浪厩務員は着々と戦闘態勢に入る馬の気持ちを代弁した。
雨中の引き運動は、日光がささずとも灰色の体表を光らせて見せる。「毛ヅヤはいい方だからね。夏の暖かいときは皮膚もものすごく薄くなる。代謝が良くなっているんだろう」と上機嫌に話すベテラン厩務員は、こう続けてうなずいた。「タフなんだよ。デビューからここまで、ケガもせず、無事に来ている。まさに無事これ名馬。こんなに順調な馬は、この世界に入って初めてだ」。宝塚記念史上、例のない連覇へ。歴史をつくるための体調は万事整った。