【函館記念】グラン泰然自若の最終デモ
「函館記念・G3」(20日、函館)
12年スプリングS以来の重賞Vを目指すグランデッツァが16日、函館Wで最終デモ。馬なりの内容ながらも、しっかりと抑えの利いた走りを披露した。初の函館参戦だが、11年の札幌2歳Sを制するなど洋芝実績は十分。秋に向けて賞金を加算するためにも負けられない一戦だ。悲願の重賞初Vを狙うアドマイヤタイシは好調キープを印象付ける走り。ビシッと攻めたトウカイパラダイスも好ムードだ。
仕上がりは十分。それだけに派手なアクションは必要ない。たぎる闘志を内に秘め、グランデッツァが函館Wで我慢の利いた走りを見せた。またがった秋山はグッと手綱を引き、終始馬をなだめながら運行。直線でもステッキを抜くことなく、5F69秒7‐39秒7‐13秒3のタイムを刻んだ。
「先週栗東で速い時計を出している(坂路4F50秒9)ので、今週はゆっくりと。テンションも上がっているみたいだし」と鞍上は納得の表情。「具合は良さそう。あとは競馬までに落ち着いてくれれば」と、12年スプリングS以来の重賞制覇に期待を込めた。
“アグネスタキオン産駒の最高傑作”として、皐月賞(5着)では1番人気に推されたほどの大器だ。ダービー10着後は左前屈腱炎で長期休養を余儀なくされたものの、前々走の都大路Sでは圧巻の日本レコードVを決めた。前走の安田記念は11着に敗れたが、極悪馬場に加えて終始内に押し込められる展開。度外視が可能だろう。
「今回は賞金を加算したいね。秋の天皇賞などに使うことを考えると、直前になってバタバタしたくない」と平田師は仕切り直しの一戦に意気込む。週末の雨予報にも「良馬場が理想だけど、重馬場をこなしたこともあるから」と、さほど深刻にとらえてはいない。
馬への信頼は揺るぎない。過去4勝は全て1800メートル戦。2000メートルでは気性的に折り合いが鍵となるが、主戦は泰然自若だ。「距離は気にしていない。何と言っても、グランデッツァですからね」。秋の飛躍を見据え、きっちりと人気に応えたい。