【函館記念】シャッセ半世紀ぶり快挙へ
「函館記念・G3」(20日、函館)
約半世紀ぶりの快挙を目指し、いざ出陣!今春のオークス3着馬バウンスシャッセは17日、函館芝の併せ馬で併入。精神面の強化に重きを置く調教内容で態勢を整えた。自身にとって函館での重賞初Vがかかる鞍上・北村宏も3年ぶりに体重を51キロまで絞り込み、66年メジロボサツ以来、48年ぶりの3歳牝馬Vをサポートする。
精神面にアプローチした調教を施し、初の古馬相手に挑む。オークス3着馬バウンスシャッセは、函館芝で僚馬ラヴェルソナタ(6歳1000万下)を1馬身前に見ながら、キャンターで約1周。ラストは鼻面を並べ、4F57秒4‐41秒8‐13秒7のタイムでフィニッシュした。
時計は地味でも明確な意図がある。「久々だから、馬の後ろでプレッシャーをかけた」と藤沢和師。ゴールを過ぎても2Fほど馬体を併せる濃密な内容を消化し、「先週は台風が週末に来るというから、予定を早めて火曜に(函館へ)来た。長くいる分、いい感じだね」と状態の良さには太鼓判を押す。3歳牝馬の参戦は95年以来、19年ぶりのこと。Vは66年メジロボサツまでさかのぼる。むろん、異質なローテを選択したのには訳がある。「スタートが速い方ではないからね。クイーンS(8月3日・札幌)は最初の直線が短くて忙しい。それなら、斤量が軽いこっちの方がいい」。牝馬限定のG3より、勝算が高いとにらんでの出走だ。
ハンデ51キロに北村宏も「そりゃ、軽い方がいい」とひと言。同斤量は自身、11年8月の関屋記念(サトノフローラ=3着)以来になるが、減量のことは一切口にせず、前を見据える。函館リーディング首位(6勝)を快走するトレーナーは、今後について「秋華賞は平たん小回りでスピード勝負。合わないかもね」と、古馬の中距離王道路線を歩む可能性を示唆。快挙の先には大きな夢が広がっている。