【中京記念】森&マジェスティ銀返上だ
「中京記念・G3」(27日、中京)
平地重賞連対率100%男が“3度目の正直”に挑む。中京記念に出走するマジェスティハーツの手綱を取る森一馬騎手(21)=栗東・松永昌=は、これまで平地重賞では2度の騎乗経験しかないが、ともに2着。いずれも同馬とのコンビで挙げた銀メダルだが、もちろん、満足はしていない。フランス遠征の成果も見せる一戦。狙うのは今度こそ!金メダルだ。
人馬にとって初のタイトル奪取を狙う。マジェスティハーツの森は「チャンスを与えてもらっているのに2着続き。結果を出さないと…」と力を込めた。エピファネイアの2着に入った昨秋の神戸新聞杯は7番人気だっただけに健闘とも言えるが、5月の新潟大賞典2着は2番人気。今でも悔しさが心を覆っている。
「どう乗っても負けないと、自信を持って乗ったんですが、それで負けてしまった」。ユールシンギングに首差かわされての惜敗。仕掛けが早かったか、それとも遅かったのか…。レース後は自問自答を繰り返した。そんな時、フランス遠征の声が掛かる。6月15日にシャンティイ競馬場で行われた若手騎手招待レースに参加。結果は6着だったが、約1週間の滞在で得た収穫は大きかった。
「いろいろな方にアドバイスをもらったのですが、それを日本で実践したら馬の動きが変わったんです」と目を輝かせる。ちょうどフランス出発の日が、マジェスティのエプソムC(6着)当日。いったんはキャンセルしようか迷っていたが、松永昌師の「行ってこい」の言葉に後押しされた。「本当に行って良かったです」。懐の深い師匠に心から感謝する。
3月に減量が取れた今年は勝負の年。肉体を鍛えるためのトレーナーと、動作解析をしてくれるコーチに週1回見てもらい、レベルアップを図っている。「重賞タイトルは確かに欲しい。ですが、今回に限っては、この馬のために勝ちたい」。もう2着はいらない。“今度こそ”の思いを手綱に込めて、先頭でゴールを駆け抜ける。