【中京記念】パテック外から伸びてV

 「中京記念・G3」(27日、中京)

 オルフェーヴル世代の古豪が見事な復活を遂げた。7番人気のサダムパテックが、直線の外を力強く伸びてV。メンバー唯一のG1馬が底力を見せた。昨年の2着馬で、11番人気だったミッキードリームが鼻差2着と今年も奮闘。3着には5番人気のマジェスティハーツが入った。1番人気のフラガラッハは見せ場すらなく10着に惨敗。同レースの1番人気は、現在継続中のJRA重賞最長となる15連敗となった。

 これぞG1馬の底力だ。7番人気のサダムパテックが外から力強く伸びてV。トップハンデ58キロも何のその、ミッキードリームとの叩き合いを鼻差で制し、新たな重賞タイトルを手にした。

 「陣営から具合がいいと聞いていたし、うまく乗れて良かった」と田中勝は満足げな笑みを浮かべた。開催最終日とあって芝は荒れに荒れ、午前中のゲリラ豪雨が馬場悪化に拍車をかけていた。「外枠だったのは良かったね」と鞍上が振り返る通り、道中は中団の外めを運行。道悪による消耗を最小限にとどめた。直線でも迷わず外へ。最後はこん身の左ステッキに応え、ゴールを突き抜けた。

 「すんでのところでかわすあたりがG1馬だね」。コンビを組んで3戦目で挙げたV。自身にとっても、同じ中京で行われた昨年3月のファルコンS(インパルスヒーロー)以来の重賞制覇とあって喜びはひとしおだ。

 一昨年のマイルCS覇者が放った見事な復活弾。およそ1年8カ月ぶりの美酒に、西園師は「乗り方は全てカツハルに任せていた。一発があるかな、と思っていたよ」と声を弾ませる。「よく頑張ってくれた。頭が下がる思い」と孝行馬の力走をねぎらった。

 次走については未定。サマーマイルシリーズにはこだわらず、大目標が控える秋を見据えてローテを模索していく構えだ。「オーナーと相談してからですね。秋はマイルCS(11月23日・京都)から香港マイル(12月14日・香港シャティン)へ向かいます」。馬名の“パテック”は、スイスの高級時計を意味する。再び時を刻み始めたオルフェーヴル世代の実力馬が、今後も国内外でどん欲に勝利を求めていく。

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