【関屋記念】クラレント文句なしV
「関屋記念・G3」(17日、新潟)
好位を進んだ4番人気のクラレントが、馬場の真ん中から力強く抜け出し、サマーマイルシリーズ第2戦を制した。昨年6月のエプソムC以来の白星は、マイル重賞4勝を含む重賞5勝目。シリーズ王者も視界にとらえた。橋口師はJRA重賞通算91勝目となり、現役単独トップ(2位は藤沢和師=90勝)に立った。1番人気のダノンシャークが2着、スタートでダッシュのつかなかったサトノギャラントが3着となった。
馬場回復の追い風にも乗り、クラレントが外回りの長い直線をさっそうと駆け抜けた。しぶとく抵抗するダノンシャークをゴール寸前でかわし、5つ目のタイトルをゲット。力強い勝ちっぷりで、マイル路線の主役の一頭へ浮上した。
完璧だった。「掛かることを考えて折り合いを重視。思い通りのポジションで運べました」と、初めてコンビを組んだ田辺は汗をぬぐう。前にダノンシャーク、すぐ横にはマジェスティハーツ。人気馬2頭をマークしながら運んだ。直線、ダノンが先に抜け出したのを見てスパート。相手は再三、G1で好走してきた実力馬だ。かわすのに手こずったが、「馬場が少し緩かったが、安田記念や中京記念のようなドボドボではない。平気で走ってくれた。最後は地力でねじ伏せてくれましたね」と、自身にとってJRA重賞通算10勝目に相好を崩した。
小倉競馬場でテレビ観戦となった橋口師は「あれだけのジョッキーだから何も注文はつけなかった。うまく脚をためて折り合いをつけてくれた。理想的な競馬だったね。文句なしです」と、その騎乗ぶりを称賛した。
以前は賞金不足で使いたいレースを使えないことが多かったが、今はその心配がない。自らが育て、最も思い入れの深いダンスインザダークの産駒に、「ダメージがなければ京成杯AH(9月14日・新潟)を使いたい」とキッパリ。堂々とサマーマイルシリーズ制覇を宣言した。