【札幌記念】横山典、ゴールドと一体
「札幌記念・G2」(24日、札幌)
今秋、世界を目指す2頭が20日、北の大地で追い切りを敢行した。ゴールドシップは函館Wでシャープな伸び。横山典と呼吸を合わせて軽快に駆けた。一方のハープスターは札幌芝を疾走。左前を落鉄するアクシデントがあったが、陣営は問題視しなかった。
この日も“馬優先”を貫いた。ゴールドシップは函館Wで最終デモを敢行。角馬場で入念に体をほぐすこと約10分。“走りたい”という相棒の気持ちを感じ取った主戦がコースへうながすと、芦毛のG1馬は気分良く四肢を伸ばした。時計は5F69秒0‐39秒7‐13秒1。馬なりながら、息の合った人馬の姿が好調ぶりを伝えた。
追い切り後はパドックでスクーリングをする念の入れようだ。通常だと1頭の調教に約30分かけられるが、ベテランジョッキーとG1・5勝馬のコンタクトは1時間にも及んだ。「順調だよ。変わらない。気分良さそうだしね」。2週連続で騎乗した横山典は、その感触を満足げにする。
当初はロゴタイプと併せ馬を予定していたが、鞍上の進言から変更された。北村助手は「その方が自分のタイミングで馬場に出せるから」と説明。2カ月ぶりの一戦に「息の心配もないし、仕上がっている。函館のパドックは札幌に似た造りなのでスクーリングをしたけど、賢い馬だし、雰囲気は良かった」と不安なしを強調した。
初コンビだった宝塚記念をV。気難しい面を持つステイゴールド産駒を見事に乗りこなした。勝利インタビューでは「“頑張ってください”と馬にお願いする立場」と話した主戦だが、2度目となる今回は、どんな思いでレースを迎えるのか。「馬を大事にする気持ちはいつものこと。何もゴールドシップが特別ってわけじゃない。どの馬でも変わらないよ」。いつもと同じ自然体で臨む構えだ。
凱旋門賞の前哨戦を陣営は冷静に迎える。「目の前の一戦、一戦が勝負。あとはジョッキーに任せるだけ」。仕上げ人がそう言って鞍上に託せば、横山典も「相手関係も馬場も条件はみんな同じ。無事に走ることだけ。順調にいけばその先が見えてくる」。世界中が注目する一戦。勝って海外遠征に弾みをつける。