【キーンランドC】オーヴァル好感触

 「キーンランドC・G3」(31日、札幌)

 昨年の桜花賞2着馬が待望の重賞初Vを視界に捉えた。レッドオーヴァルは27日、札幌芝で上がり重点に、1F11秒4とキレキレの動きを披露。現地滞在の効果で課題のテンションも高くなっておらず、陣営は青写真通りの仕上げを強調した。スマートオリオンも札幌芝で軽快な走り。31日から戦列に復帰する武豊が重賞2勝目へ導くか。休み明けのマジンプロスパーも好仕上がりだ。

 札幌芝で5F全体の時計は69秒6。一見軽めの最終追い切りながら、激しい気性を持つ4歳牝馬には絶妙のさじ加減だった。レッドオーヴァルに騎乗した安田翔助手はビッシリとは追わず、そうかといって緩め過ぎることもなく、素軽い脚さばきを引き出すことに成功。1F11秒4の好フィニッシュを決めた。

 大切にしたのは、馬自身の気分を損ねないことだ。「怒らせないように、気分良く(走らせた)。攻め馬でアクションを起こして仕上げるとマイナスになりそうでしたからね。芝に入れたことでレースだと気付いてもらえたら」と仕上げ人はうなずく。追い切り直前にキーンランドCの発走地点の待機所へ馬を促した際、カラスが群れをなしていたことにも動じなかったという。「カッとする(タイプ)だけに、どう馬場に入るかを悩んでいたんですけどね」とホッと胸をなで下ろした。

 準オープンへの降級2戦目となった前走の札幌日刊スポーツ杯を1馬身半差で完勝。滞在競馬がプラスに働いた。「馬のリラックスの度合いという点では、栗東にいる時の方が上。でも輸送がないのでレース当日の緊張度が違います」。引き続き滞在競馬の今回もアドバンテージは得られるはずだ。昨年の桜花賞2着馬で、秘める素質はもともと上位。好走の鍵となる精神面も充実しているとなれば、重賞初Vへ期待は膨らむばかりだ。

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