【ボート】白井が悲願のSG初V
「ボートレースメモリアル・SG」(8月31日、若松)
14度目の挑戦で、白井英治(37)=山口・80期・A1=が、ついに悲願のSG初制覇を成し遂げた。2コースから、Sはコンマ00。鬼気迫る踏み込みからから舟を伸ばして、一気にまくりきった。2着には辻栄蔵が入り、寺田祥は池田浩二との競り合いを制して3着を確保。1号艇の谷村一哉は、無念のしんがり負けに終わった。
13回も味わった悔しさの後に待っていた、栄光のゴール。「何ですかね…まだ実感はわかないです」。白井はフワフワしたような表情で、言葉に詰まりながら応えた。ピットで出迎えた、師匠の今村豊とがっちり抱擁。目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
今度こそ、の思いをスタート(S)にぶつけた。「悔いのないように」と決めたSはなんとタッチ。そのままの勢いでまくりきった。「正直、緊張はしてました。エンジンは抜群。調整はほぼ何もしてません」。完璧に仕上がった相棒を信じて、ただ必死に1Mを先取りすることに集中していた。
SG2度目の参戦だった2001年ダービー(とこなめ)で早くも優出。戴冠は時間の問題と思われた。だが、そこからの壁が厚かった。優勝戦で散ること13回。それでも、今村をはじめ周囲、ファンの支えを胸に奮闘してきた。「ホントに感謝しかないです」と絞り出した言葉に、今までの思いも詰めていた。
これでグランプリ(12月18~23日・平和島)出場は当確。その前には、地元・下関でのSG・チャレンジC(11月25~30日)を戦う。「ここで緩めてる場合じゃない。体調管理をしっかりして集中していきます」。やっとつかみ取った栄冠。1度だけで終わらせるつもりは毛頭ない。