【札幌2歳S】ブライト突き抜けた
「札幌2歳S・G3」(6日、札幌)
逃げた1番人気ミッキーユニバースをかわした後続馬が横に広がった直線、大外からまとめて差し切ったのは向正面で最後方にいたブライトエンブレムだ。田辺は左ムチを1発当てただけ。スタートの出遅れもなんの、ただ1頭、3F35秒台の末脚を繰り出し、札幌2歳王者に輝いた。
「外を回るロスがありながら最後まで止まらなかった。直線に向いて先団に並びかける勢いが違った」。自身初の札幌での重賞勝ちに、うれしそうに馬をたたえた田辺。小島茂師も自ら手掛けた08年秋華賞馬ブラックエンブレムの2番子の活躍に、「結果を出さなければと思っていた。スタッフも思い入れがあると思う」と喜びもひとしおの口ぶりだ。
早々と賞金を加算し、余裕を持って今後のローテを組めるのが何よりだろう。「まず放牧に出してゆっくりと。次は東京か中山か。もっと春まで待ってもいい。じっくり考えて馬に合わせて」と指揮官。先に見据えるのは、もちろんG1母子制覇だ。田辺も「キャリアが浅い馬でまだ伸びしろがたくさんある。来年のクラシックも頑張ってもらいたい」と腕をぶす。“出世レース”で最後方から大外を突き抜ける、誰が見ても強いと思わせる好内容。夢は大きく広がった。