【新潟記念】マーティンボロ逆転夏王
「新潟記念・G3」(7日、新潟)
1番人気のマーティンボロが直線の激しいたたき合いを制して重賞2勝目。逆転でサマー2000シリーズのチャンピオンに輝いた。半姉にヴィルシーナの母ハルーワスウィート、全兄に11年ラジオNIKKEI賞を制したフレールジャックを持つ遅生まれのディープインパクト産駒が、秋にはさらなる大舞台を目指す。JRA重賞初制覇となったローウィラーだが、直線の内斜行で騎乗停止処分が科せられた。
見応え十分のたたき合い。大混戦の馬群から、マーティンボロがグイッと抜け出した。2、3着馬とはわずか首、鼻差でのV。見事に大逆転でサマー2000シリーズのチャンピオンを手にする、大きな大きな勝利となった。
「いいポジションが取れてリズム良く走らせることができた。最後は本当にいい脚を使ってくれた」と振り返ったローウィラーは日本での重賞初V。直線のラフプレーで騎乗停止処分を受けたが、「素直にうれしい」と笑顔を見せた。
レースは予想通り、シリーズのポイントリーダー・メイショウナルトが積極的に飛ばす展開。前半、先行馬が多少勢い良く行き過ぎたか、直線に入ると中団待機組が一気に進出した。ゴール前では7頭による追い比べに。勝ち馬の強引な進路取りがあったものの、降着にはならなかった。
8月20日と通常よりかなりの遅生まれ。オーストラリアに運んでデビューさせる予定だったが、馬インフルエンザによる検疫の影響で断念し、日本での初勝利もデビュー6戦目の3歳夏だった。それが昨秋以降は完全に本格化。3月の中日新聞杯で重賞初勝利など、7戦全てで3着以内に奮闘している。
札幌競馬場で見守った友道師は「ゴール前は力が入ったね。体がしっかりしてきたのが大きい。今後はオーナーと相談してからになるが、このあたりのレースを勝つと天皇賞・秋(11月2日・東京)が視野に入ってくる」とG1戦線を見据えた。シリーズチャンピオンの誇りを胸に、遅れてきた大物ディープインパクト産駒がG1戦線に殴り込みをかける。