【京成杯AH】善臣アチーヴで逆転Vだ
「京成杯AH・G3」(14日、新潟)
大ベテランが、サマージョッキーズシリーズの逆転Vを狙う。柴田善臣騎手(48)=美浦・フリー=は現在、22ポイントを獲得して2位につけている。トップの田辺裕信騎手(30)=美浦・小西=とは、わずかに3ポイント差だ。京成杯AHをショウナンアチーヴで勝てば、他の騎手の成績に関係なく、シリーズチャンピオンを手にする。
初コンビとなった前走の関屋記念に続き、ショウナンアチーヴの手綱を取る柴田善。その前走は休み明けもあって6着に敗れた。「ジリジリとしか伸びなかったが、能力が高いのは確か。まだ体を持て余しているから、素質を競馬で出し切れていない」とレース内容を振り返りながら、昨年の朝日杯FS2着馬に「ドシッと構えて走れるようになれば変わるだろう。可能性を感じる馬だよ」と潜在能力を高く評価する。
前開催の新潟では7勝と数字的には物足りないが、中身は濃いものだ。セイコーライコウでアイビスSD、ミュゼスルタンで新潟2歳Sを制した。「いいところを勝たせてもらった。たまたま、巡り合わせが良かったね」と笑みがこぼれる。もともと新潟は大好きな人間だ。滞在競馬だった当時、オフの時間は好きな釣りやヨットクルーズに興じた。輸送競馬になった今、その楽しみは奪われてしまったが、「競馬場そのものがすごく広いから、開放感がある。いいイメージを持って乗れるコース」と言う。
逆転への手応えはあるのか。国枝師は「どう考えても55キロは重過ぎるよ」とハンデに不満をぶつける。柴田善も「54キロが妥当だと思う」と見るが、シリーズチャンピオンには、ワールドスーパージョッキーズシリーズ(11月29、30日・東京)への出場権が与えられる重要な一戦だ。99、03年にはVを達成しているWSJS。一昨年以来の出場へ、新潟マイスターはひそかに逆転への秘策を練っている。