【いちょうS】サトノフラム絶妙リハ

 「いちょうS・重賞」 (11日、東京)

 今年から重賞となった出世レースに、阪神の新馬戦を楽勝したサトノフラムがスタンバイ。8日に栗東CWで行われた最終リハは、併せ馬で豪快に先着した。エアグルーヴ、メジロドーベル、そして今年の皐月賞馬イスラボニータといった面々が駆け抜けた舞台。無傷の2連勝を飾り、スター候補に名乗りを上げる。また、ミッキーユニバースは美浦坂路で軽めの調整ながら順調な仕上がりをアピールした。

 圧巻のデビュー戦から中3週。当初は放牧予定だったサトノフラムが軌道修正。新設重賞へ舵を切った。「楽に勝てたので挑戦することに。競馬を使った後でも、いい意味で雰囲気は変わらないですね」。安田師は状態の良さを確認し、東上を決意した。

 注目の最終リハ。ここでも、直前でメニューを変更した。当初は栗東坂路で追う予定だったが、現時点では若干太め。シェイプアップには強めの調教が必要になるが、かといって初の長距離輸送を考慮すれば、ハードに攻めることも難しい。熟考の末、陣営はソフトかつ長めに距離を乗れるCWを選択。5Fからの併せ馬を施した。

 先行するイスキューロス(2歳新馬)を追走し、4角で射程圏内へ。ラスト1Fでとらえると、馬なりの手応えで一気に突き放し1秒先着した。5F68秒8‐39秒0‐11秒6に、指揮官は「いい動き。ほどほどに余裕を残して、はじけていましたね。7日の計量で鞍を置いて484キロ。輸送して470キロ前後になると思う」と理想的な内容に納得の表情を浮かべた。

 短距離とダート戦に良績を残す安田厩舎に現れた待望のクラシック候補。「G1を意識できるだけの可能性がある馬。何とか結果を出したいですね」。視線の先には朝日杯FS(12月21日・阪神)を見据えている。無傷の2連勝を飾り、王道を突き進む。

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