【いちょうS】クラリティが初代覇者に
「いちょうS・重賞」(11日、東京)
意気揚々と東上した関西馬が2歳コースレコードで快勝した。クラリティスカイが好位抜け出しで後続を完封し、重賞を初V。横山典はこの勝利でJRA通算2500勝を達成した。出世レースを制し飛躍の期待は高まる一方だ。2、3着は藤沢和厩舎のネオルミエールとミッキーユニバースが確保。圧倒的な1番人気のサトノフラムは直線で全く伸びず、10着に惨敗した。
新設重賞でクロフネ産駒の素質馬が躍動した。初コンビの名手・横山典に導かれ、好位のインで流れに乗った4番人気のクラリティスカイが直線で抜け出しV。1分33秒5の走破時計は、12年にのちの皐月賞馬ロゴタイプがマークした従来の記録を0秒1更新する、2歳コースレコードのおまけつきだった。
ゴールドシップとのコンビで臨んだ先週の凱旋門賞・仏G1は14着と不完全燃焼に終わり唇をかみしめた鞍上だが、この日は会心の騎乗を披露。この勝利でJRA通算2500勝も達成し「父と同じで大跳びなのでスタートには注意した。位置取り、流れ、追いだし(のタイミング)と全てイメージ通りの競馬ができた」と満足そうに振り返る。また、区切りの重賞通算20勝目となった友道師も「いい競馬ができた」とレースぶりを評価した。
昨年までオープン特別として行われていたこのレースは、古くは83年シンボリルドルフや95年エアグルーヴ、また昨年のイスラボニータなど多くの名馬を輩出。クラリティスカイも当然、大きな飛躍が期待される。「朝日杯FS(12月21日・阪神)かホープフルS(12月28日・中山)へ。いずれにしても年内に一戦したい」とトレーナーは暮れの次戦を見据えた。