【アルテミスS】ココロノアイ重賞初V
「アルテミスS・G3」(1日、東京)
もしかすると、6冠馬オルフェーヴルのレディー版か-。9番人気のココロノアイが、やんちゃさ全開で初重賞をもぎ取った。
前半、一気に掛かって鞍上がなだめるのに必死。何とか我慢させながら直線へ。レースの上がり3F11秒7-11秒2-11秒7という激流の中、坂上で抜け出し、1番人気レッツゴードンキの猛追を鼻差で耐えた。横山典は「前向き過ぎる気性で持って行かれた。田辺の馬(スマートプラネット)の後ろに入って何とか我慢。よくしのいだ。強い競馬だったよ」と、着差以上に強い内容をたたえる。
明らかに父ステイゴールドの血が濃いじゃじゃ馬。裏を返せば、秘めたるポテンシャルの高さを物語る。尾関師は「持っているスタミナでしのいだ。今後は気持ち良く走れるよう、我々が努力するしかない。新馬戦の前から阪神JF(12月14日・阪神)を意識していた馬でした」と、勝って兜(かぶと)の緒をしめた。
粗削りな面の良さを消さず、人間の指示に従う馬に育てる。難しいテーマだが、不可能ではないはずだ。横山典は「次への課題は多いが、酒井牧場の馬で勝てて良かった」と言う。かつてコンビを組んだ、ダートの女王ホクトベガと同じ牧場の生産馬。名牝へ育つ可能性を感じ取ったのは間違いない。