【みやこS】スターオー地力強化し飛躍
「みやこS・G3」(9日、京都)
秋G1シリーズの谷間となる今週、9日京都メーンは暮れのダート頂上決戦・チャンピオンズC(12月7日・中京)へのステップ。まだ5回目と歴史は浅いが、勝ち馬にはそうそうたる馬名が並ぶように見逃せない一戦だ。
群雄割拠のダート中距離戦線にあって“挑戦者”という立場からは卒業する。砂のステージでは今年屈指の出世馬とも言えるクリノスターオー。秋初戦のシリウスSは、2番手から押し切る強い勝ち方だった。重賞初Vを飾った3走前の平安Sが12番人気、続くエルムS2着は5番人気とマークは薄かったが、前走は堂々の1番人気でのV。地力強化は疑いようがない。
飛躍のきっかけは、日常のルーティンの徹底した見直しだった。高橋忠師が説明する。「人の扱い方から、調教への向かい方まで。日頃の扱い方を全て見直しました」。サラブレッドの宿命とも言える繊細さ。レースや調教でのストレスは避けられなくても、それ以外の部分でのストレスはできる限りそぎ落とす。乗り手も代え、本格化への道を開いた。
調教内容もバリエーションを広げることができた。繰り返したのは馬と馬の間隔を狭めて、そこから抜け出させる併せ馬。「以前はかぶせられたり馬込みに入ると弱いところがあったが、変わりましたね。幸騎手も“調教の効果ですね”と言ってくれます」とトレーナーは胸を張る。「まだ伸びしろはあると思う。弾みをつけたいですね」。重賞連勝を飾って初のG1挑戦へ名乗りを上げる構えだ。