【ファンタジーS】グラシアス太鼓判
「ファンタジーS・G3」(8日、京都)
スケールの大きさに注目だ。マンハッタンカフェ産駒のダノングラシアスが、3戦目で重賞にチャレンジ。前走のりんどう賞は2着に敗れたものの、直線外から豪快な末脚を繰り出し、素質の高さをうかがわせた。牝馬としては馬格があり、今後の飛躍が楽しみな好素材。重賞タイトルを手にし、G1挑戦へ弾みをつける。
新馬戦から目いっぱいには仕上げない矢作厩舎にとって、新馬戦を勝つ意味は大きい。G1を制したディープブリランテやグランプリボスも初陣を制した。新潟のデビュー戦を快勝したダノングラシアスも、高い潜在能力を秘めている。500キロ近いグラマーな馬体が豊かな将来性を感じさせる。
2番手から抜け出した初戦とは一転して、2戦目のりんどう賞は道中インに押し込められたこともあり、4角では位置取りが9番手まで下がった。前方は横並びに広がり、行き場を失って絶体絶命の状態。そこから岩田がやや強引に馬場の大外へ持ち出し、ようやくスパートを開始した。
窮地を脱して上がり3F34秒4の末脚を放ったが、先に抜け出した勝ち馬にはあと一歩及ばず。それでも、吉田助手は「勝つに越したことはないが、道中で抑えが利いた。引っ掛かるのが心配だったからね。ああいう脚も使えたから」と内容を高く評価する。
その後は短期放牧を挟み、ここを目標に調整。「順調です。デビュー前よりも体がしっかりしてきましたね。攻め馬はいつも動くけど、1週前の動きも良かった」と仕上げ人は出来に太鼓判を押す。
重賞でさらにハードルは上がるが、この馬自身、上積みは大きい。「鞍上(岩田)も2回目。前走の内容なら、外回りに変わるのもいいはず」。人馬一体となってVをつかんでみせる。