【ファンタジーS】クールホタルビがV
「ファンタジーS・G3」(8日、京都)
最低人気に猛反発だ。曇天の淀をクールホタルビが鮮やかに走破。重賞初タイトルを手にした。「返し馬ではテンションが高かったけど、レースに行ったら折り合いがつきました。それが勝因でしょう」。デビューから手綱を握る小牧は得意げに振り返った。
ソツのない立ち回りだった。スタートをばっちり決めると、逃げ馬を見ながら好位の内側を追走。4角ですかさず外に出し、反応良く伸びて後続の追撃をしのいだ。「馬の後ろに入れたら、フッと(ハミが)抜けた。千六になっても、乗り方ひとつでしょうね」と主戦はさらなる高みを見据える。
何としても勝たせたい理由があった。ホタルビの母プラセールは、かつて園田競馬で走っていたこともある地方馬。小牧自身も園田で腕を磨いたとあって、親近感が湧くのは自然なことだった。「血統はよく知らないんだけど、重賞を獲らせてあげたかったんだよね」。ほれ込んだ相棒の力走にニンマリだ。
今年重賞初Vを決めた清水久師も結果に大満足だ。「具合が非常に良かった。勝ってくれてうれしいです」。次走は阪神JF(12月14日・阪神)。勢いづく人馬が、世代の頂点を目指してまい進する。