【エ女王杯】ヌーヴォ女王の座統一する
「エリザベス女王杯・G1」(16日、京都)
攻めの姿勢を貫いた。オークス馬のヌーヴォレコルトが12日、美浦Wで最終リハを敢行。秋華賞2着の雪辱へ、文句なしの動きを披露した。栗東では府中牝馬Sを制したディアデラマドレ、秋華賞を快勝したショウナンパンドラが、さらにパワーアップした姿を見せた。
秋華賞のうっぷんはキッチリ晴らす。統一女王の戴冠式へ向け、オークス馬ヌーヴォレコルトが、美浦Wで堂々のパフォーマンスを披露した。
1週前には主戦の岩田が騎乗して追い切ったが、時計が遅かったため、この日はいつも騎乗している相田助手が乗って意欲的に攻めた。前半は首を使ったリズミカルな走り。4Fから徐々にペースを上げて行くと、直線では強めに追われ、6F82秒4-38秒4-12秒6のタイムを計時。前傾姿勢はフィニッシュまで崩れなかった。
直前輸送を控えても手加減なし。カイバ食いがいいからできることだ。追い切り直後の計量では鞍を置いて458キロ(前走・秋華賞=448キロ)。ベテランの小松厩務員は「競馬では444キロぐらいかな」と言う。ローズSを勝ち、栗東入りした直後は430キロ台半ばまで減った。やはり“我が家”は住み心地がいいのだろう。
斎藤師は「先週は単走で遅かった。これぐらいは許容範囲。動きは言うことなしです」と仕上げに胸を張り、「秋華賞は時計が速く疲れが残ったが、1週間で回復した。当初、秋は2戦を全力でと考えていたが、お釣りがあった。不安があるなら使いません」と力を込めた。
古馬との比較材料があまりにも乏しく、力関係は読みにくい。ただ、古馬に絶対的な存在が見当たらないのは確かだ。3歳馬は過去10年で5勝2着3回。昨年はワンツーを決めた。この時季になれば2キロの斤量差はアドバンテージともいえる。
甘いルックスに似合わず、トレーナーは強気なタイプだ。「古馬は経験値に勝るが、十分に対抗できるはず。秋華賞は内枠で外に出すまでもたついた。位置取りを大切に、勝ちを意識して乗ってもらう」。4角で外に振られた秋華賞での轍(てつ)は踏まない、強い思いが言葉に乗り移った。