【デイリー杯2歳S】エスプレッソ快速V
「デイリー杯2歳S・G2」(15日、京都)
連勝で一気に重賞初制覇を飾った。未勝利戦を勝ち上がったばかりの5番人気タガノエスプレッソが、好位から力強く伸びて、人気馬の追撃を見事に封じ込めた。2着には6冠馬オルフェーヴルの全弟で2番人気のアッシュゴールド。1番人気のナヴィオンは3着に敗れた。
スッキリとした秋晴れの淀に、ニューヒーローが誕生した。5番人気タガノエスプレッソが、デビュー4戦目で重賞初V。評判馬2頭を鮮やかに退けて、先頭でゴールを駆け抜けた。「道中は掛かっていたけど、よく我慢してくれた。走るところを見せてくれました」。5番人気馬を勝利に導いた殊勲の岩田は、笑顔でパートナーをたたえた。
持ち味である自在性を生かした。前半1000メートルの通過が61秒1。スタート直後は後方2番手だったが、ペースが緩いとみるや3番手まで進出。「乗り手の指示に素直に反応してくれる。3番手からでもスッと前をかわせると思っていた」。直線は鞍上の右ステッキに応えて鋭く伸び、後続の追撃をしのいだ。
「(2着馬に)やられたと思ったが、いい根性をしているね。勝てて良かった」。五十嵐師の頬も自然と緩む。レース後は物見をして鞍上を振り落とすシーンも。粗削りな分だけ成長の余地は十分だ。「折り合いがつくようになれば、もっとはじける」と、岩田も今後の心身両面の成長に期待を込めた。
今後は朝日杯FS(12月21日・阪神)を主軸に、さらなる大舞台を視野に入れる。馬名の“エスプレッソ”は、イタリア語で電車の急行の意味。重賞初Vを決めた勢いを原動力に、一気に世代の頂点へと走りだす。