「競輪祭・Ｇ１」（２４日、小倉）

　今年最後のＧ１で決めた。決勝は関東４車の結束を生かして平原康多（３２）＝埼玉・８７期・ＳＳ＝が１着。優勝賞金２９００万円（副賞含む）と「ＫＥＩＲＩＮグランプリ２０１４」（１２月３０日・岸和田）の出場権を得た。２着は先行した武田豊樹、３着は神山雄一郎。平原のＧ１制覇は昨年２月の全日本選抜以来５回目。競輪祭Ｖは０９年以来２回目。

　ラストチャンスをモノにした。先に行われた９Ｒで新田祐大が１着となったことで、平原は優勝だけがグランプリ出場の条件となっていた。それでも武田目標に差し切って１着。「正直、夢のような感じがする」と最終切符を手にした。

　初日から自力戦で挑んだが、決勝だけは関東４車の強みを生かして番手戦。「武田さんの気迫を感じた。稲垣さんに合わせられればワンツースリーできると思った」と最終３角では稲垣のまくりを３、４回と小さく外に振ってけん制。「最後まで武田さんを援護するつもりだった」と番手から自力で出ることなく、ラインで表彰台独占を果たした。

　今年は選手会脱退騒動により５月から３カ月あっせん停止。８月の小田原記念での落車と厳しい状況が続いた。それだけにＧ１制覇の喜びは大きい。「本当なら走る機会のなかったレース。（自粛期間の軽減措置で）走れているだけでもうれしい」と話し、これまでのＧ１制覇と比べても「別格の優勝です」と喜びをかみしめた。

　早くも照準は２年連続５回目出場となるグランプリに向いている。「関東勢は３人。走り方をじっくり考えて岸和田に行きたい」とＳ級Ｓ班の座を守った埼玉のエースは、自身初の１億円バトル制覇に意欲を燃やす。