【クイーンC】デイルと挑む蛯名連覇だ
「デイリー杯クイーンC・G3」(14日、東京)
関東の名手が、今年も出世レースでVを狙う。デイリー杯クイーンCで現役最多タイの3勝を誇る蛯名正義騎手(45)=美浦・フリー=は、素質豊かなブルックデイルとのコンビで挑む。昨年はフォーエバーモアでV。連覇へ、ベテランは静かに闘志を燃やしている。
フォーエバーモアで完勝を決めてからはや1年。73~74年の郷原洋行以来となる連覇を狙うのが、年々円熟味を増している蛯名だ。
武豊と並び、現役最多タイの3勝を誇るベテランは、近5年でも2勝と存在感を発揮している。「勝てばデイリー杯を連覇?そんなこと言ったら共同通信杯(昨年はイスラボニータでV)だってそうじゃない」と笑いつつも、「逆に言えば、ここ5年で勝っていない年が3回ある」と、45歳になった今でも変わらぬ勝利へのあくなき執念をのぞかせた。
出世レースとして知られる一戦が持つ意味の大きさは、重々承知だ。「東京のマイルは力がないと勝てない。ここで走った馬はオークスでも走る」。自身が騎乗した99年の覇者ウメノファイバーは、樫の舞台で頂点を極めた。「今の阪神マイルは大回り。今までは桜花賞とつながりが薄いけど、これからは変わってもいい」と、牝馬クラシックへの登竜門と位置付けているだけに、言葉には自然と力が入る。
今年の相棒は、今回と同じ舞台で未勝利Vを飾ったブルックデイル。3カ月の休養を挟み、じっくりと成長を促した。「1週前追いに乗ったけど、いい意味でゆとりがあった」と成長度合いを実感。「距離が延びていいタイプだけど、東京ならマイルでも守備範囲。モノはいいよ」。確かな手応えを胸に、連覇へ挑む。