「共同通信杯・Ｇ３」（１５日、東京）

　もう失敗は許されない。デビューから２連勝を飾ったダノンメジャーが、ここへきて急ブレーキ。自身最後のダービー挑戦へ意気込む橋口師は、昨年ワンアンドオンリーで悲願のダービートレーナーへと導いてくれた横山典を、新たな鞍上に指名。ダービー・コンビで復活ののろしを上げる構えだ。

　ダノンメジャーがダービー・コンビで反撃ののろしを上げる。

　新馬－野路菊Ｓを連勝し、一躍クラシック候補と呼ばれたが、その後よもやの２連敗。京都２歳Ｓでの２着はともかく、前走のホープフルＳは１番人気で９着に敗退。評価も急落してしまった。

　捲土（けんど）重来とばかりに、橋口師が打った手はダービージョッキーの起用だ。ワンアンドオンリーを頂点へと導いた横山典に手綱を託した。「前走はちょっと納得ができない競馬だったし、納得のいく競馬がしてほしいと思ってね。今回、ジョッキーに何か言うつもりはない。どういうレースをしてくれるか。スタートを切ってみないと分からないが、楽しみにしている」と並々ならぬ期待を寄せる。

　横山典の長所を「その時、その時に応じた騎乗をしてくれる臨機応変なところ」と評価する。昨年のダービーでも、ワンアンドオンリーのそれまでのイメージを覆す先行策で、師の悲願をかなえてくれた。“彼ならやってくれる”と全幅の信頼を置いている。

　力が入る理由はもう一つある。今回のメンバーで唯一、５７キロを背負っているように、現時点では他馬より賞金は多いが、ダービー出走となると不明瞭だ。「やっぱり最後のダービーに名を連ねたいからね」。１年後に定年を迎えるため、今年がラスト・ダービーとなる。新たなパートナーを迎えたメジャーが府中の杜を疾走する。