前日から外部との連絡禁止 防止策は…
1日の阪神競馬から騎乗開始を予定していたクリストフ・ルメール騎手(35)=栗東・フリー=が30日間の騎乗停止を科せられた。2月28日に同競馬場の調整ルームで携帯電話を使用し、外部との通信を行ったことが判明したため。
JRAでは騎手に対し、騎乗前日の午後9時までに競馬場に併設された調整ルームへ入ることが義務づけられている。情報の漏洩など外部との接触を遮断することで、公正競馬を確保することが目的だ。そのため、ルームでは携帯電話や通信機器による通話やメール、インターネットなど、外部との連絡は一切禁じられている。
ただルームへ入る際に携帯電話を預けるなど、具体的な防止策は取られていない。JRAの庄村之伸裁決委員は「日本騎手クラブとの話し合いで“自分たちが入室の際に電源を切って使わないよう管理します”ということで、自己管理に任せている」と説明。11年以降、財布や携帯などを入れられるセーフティーボックスを館内に設置したものの、その使用は各騎手の判断に委ねられているのが実情だ。
海外競馬では、レースの2時間前までにジョッキールームへ入ればいいルールとなっている。「うっかりしていた」とはルメールだが、日本でも豊富な騎乗経験があり、言い訳にはならない。再発防止策について、JRAは「今後詰めていきたい」と語った。