「スプリングＳ・Ｇ２」（２２日、中山）

　キタサンブラックが無傷３連勝で重賞ジャックを狙う。変幻自在のレース運びで新馬戦－５００万下と２連勝。持ち前のレースセンスを生かして皐月賞（４月１９日・中山）の優先出走権を奪取する。

　大外から鋭く伸びて初陣を飾り、前走は２番手で流れに乗って難なく抜け出した。そのレースぶりはまさに変幻自在。２連勝を飾ってトライアルに挑むキタサンブラックの学習能力は、かなり高い。ここまでの２戦はいずれも東京。中山での実戦となる今回は、右回りでコーナーが四つというコース形態に対応することが求められる。

　「前走はイメージしていた競馬とは全く違いましたが、２走目でテンの行き脚が違っていましたね。あの内容であれば中山でも、という気持ちでいます」。掛かる感じはなく、調教もジワッと行くタイプ。デビュー戦と同じく後方から運ぶことを想定していた清水久師にとって、前走の走りはうれしい誤算だった。２着との差は３馬身。当然のように期待値は上昇した。

　「自分のペースで行けたことが良かったようです。調教の感じでは、右回りも問題ないですからね。何とか皐月賞の権利を取りたい。そう思っています」。このチャンスを生かしたい、と指揮官は力を込める。１７日朝は、栗東坂路を軽快に駆け上がって４Ｆ６３秒２を計時。順調さを伝えて、最終追い切りに備えた。連勝の勢いでＧ１へと続く道を切り開く覚悟だ。