【阪神大賞典】ゴールド、史上初3連覇
「阪神大賞典・G2」(22日、阪神)
“庭”とする仁川で復活の雄たけびを上げた。単勝1・6倍の1番人気に応えて、ゴールドシップがレース史上初の3連覇を達成。さらに史上7頭目&ディープインパクトなどに並び4位となるJRA重賞10勝目を決めた。今後は天皇賞・春(5月3日・京都)への出否は未定ながら、宝塚記念(6月28日・阪神)の3連覇を最大目標に調整していく。
落とせない一戦だった。ゴールドシップが阪神大賞典の3連覇を達成。G1・5勝馬が、力強く復権を告げた。
走る気をなくしたかのように7着に敗れた前走のAJCCを教訓に、積極的にレースを進めた。道中はいつもの後方ではなく中団から。2周目3角から動きだすと、直線で早めに先頭に躍り出る。そのまま1馬身1/4差で押し切った走りに、岩田は「本当に強かったです。伸び伸び走らせてあげようと思った。“その気”にさせられたのが良かった」と安どの表情で振り返った。
須貝師は興奮を隠し切れない。「声がかれた」。G1の時のように叫び続け、負けられないという気迫が愛馬に届いた。指揮官は前走の内容から、鞍上と馬との主従バランスが崩れかけていることを察知。「“怒らせてくれ”とだけ伝えた。馬がナメているから」。闘志を呼び起こそうとする鞍上のアクションに、芦毛の6歳馬は見事に応えてくれた。
過去2年はこの仁川の長丁場をステップに天皇賞・春へ臨んで、結果は5、7着。陣営は今回、進路を保留した。「放牧へ出して様子を見てから」とトレーナー。また小林英一オーナーの次男・正和氏は「天皇賞も考えていますが、宝塚記念が最大目標なので。ベストのローテで臨めるように考えたい」と説明した。初の盾獲りを狙うのか、それとも3連覇のかかる上半期のグランプリへ直行か-。今後の舵取りに注目が集まる。