【ドバイSC】ハープ&ムーア人馬一体
「ドバイWC諸競走」(28日、メイダン)
人馬一体。この言葉がまさにしっくりくるキャンターだった。メイダンの芝、初コンタクトのムーアはハープスターを引っ張ることなく、体重の位置だけで軽く操り、楽しむように駆った。
英国の名手は厩舎へそのまま引き揚げ、報道陣との接触を避けたが、松田博師は名手の得た感触を聞き取っている。「ま、初めてやから、悪いとは言わんやろ。“いい馬”とは言ってたな。いつも通りの感じよ。軽く乗ってくるように指示したけれど、言った通りに乗ってきてくれた」。あうんの呼吸で順調な調整を消化した。
シーマクラシックに臨むに当たり、細かい指示はしない。「指示?いらんのと違うか?でも、大体今までよりは(前めに)行くと思うで」。全幅の信頼を寄せている。
ラスト1F10秒9で駆けた追い切りから一夜明けても馬に調子の陰りは見られない。「まあ、食うのは食ってるからな。人間と一緒よ。食ってる間は大丈夫」と名伯楽は状態に自信を持っている。
枠順は大外を引いたが、これも好材料と受け止めた。「枠入りの順番を聞いたら最後。後入れできるのは良かったな」と笑った。