【天皇賞】ゴールド春盾Vへ豪快リハ
「天皇賞(春)・G1」(5月3日、京都)
ゴールドシップが29日、悲願の春盾Vへ躍動した。横山典を背に、ダイナミックなフォームで栗東坂路を駆け上がった。阪神大賞典で3連覇を果たした勢いに乗って、3度目の正直を果たす。目下重賞連勝中のアドマイヤデウスも、栗東坂路で文句なしの仕上がりを見せた。4歳馬の戴冠へ視界は良好だ。なお、30日に出走馬と枠順が確定。馬券は5月1日に一部ウインズで前々日発売が行われる。
やはり、ゴールドシップと横山典のコンビは絵になる。栗東坂路での併せ馬。真っ白な馬体がダイナミックに躍ったが、それでいて名手の姿勢はブレることがなかった。1馬身先行させたベルラップ(3歳オープン)をラスト200メートルでとらえると、そこからノーステッキのまま一気に突き放し、0秒5の先着でフィニッシュ。坂路小屋のモニターで、4F53秒3-12秒8という数字を確認した須貝師は「いい動き。(体が)沈んだね」と納得の笑みを浮かべた。
坂路の角馬場に戻ってきた人馬に、指揮官は「良かったよ」と言葉を投げかける。横山典は「うん。でも、きょうはゴネたなあ。またがった時から、まずそうな気がしたんだ」と苦笑い。馬場入りを嫌がって、坂路に向かう通路でしばらく立ち止まり、終わって厩舎へ帰る時には大きく立ち上がった。この馬らしい気難しさは相変わらず健在だ。ただ、指揮官は「それだけ元気があるということ。動き自体は、いい時のゴールドシップの姿だったと思うよ」と表情を曇らせることはなかった。
Vを飾った阪神大賞典直後は、レース中に右前脚の蹄球をぶつけたこともあって盾回避も示唆していたが、ケアがうまくいったこともあり、一転出走へ。参戦を決めた最大の理由が、(5)(7)着と敗れている過去2年の雪辱だ。「去年もおととしも惨敗している。オーナーも自分も、タイトルを獲りたいという気持ちは大きい」と“3度目の正直”を誓った。
「前から言うように、今回も“頑張ってください”とお願いする立場。彼次第だね」。横山典の言葉は、初コンビを組んだ昨年の宝塚記念から一貫している。あとはレースで気持ちが向くかどうか。少なくとも最終リハの豪快な動きを見る限り、強いゴールドが見られる可能性は高い。