【ボート】加藤引退をフライングで決意

 公営競技史上最年長優勝記録を持つボートレースの大ベテラン・加藤峻二(73)=埼玉・5期・B1=が7日、都内で会見を開き、現役引退を表明した。2013年3月戸田一般戦で71歳2カ月で優勝。最高グレードのSGでは4度優勝。03年ボートレースオールスター(平和島)ではSG最年長記録となる61歳4カ月で優出を果たした。ラストランとなった6日の戸田2Rでは見事に1着。現役トップとなる通算3294勝目(歴代2位)を飾った。

 ボート界のレジェンドがついに勝負服を脱ぐことになった。現役生活56年。半世紀以上にわたって水上でファンの期待に応えてきた加藤。ボートレースの創成期からトップクラスに君臨。公営競技史上最年長V、そしてSG最年長優出など大記録を樹立して、現役選手で唯一、10年にボートレースの殿堂入りを果たした“走る人間国宝”が長い現役生活にピリオドを打った。

 約15年ぶりにフライングを切ったことが73歳の大ベテランに引退を決意させた。「引退のきっかけは先日(1日)の戸田でのフライング。これが最大の理由です。やめるのも近いとは思っていたのですが、このフライングが全てです。選手生活の56年で一番頭にあるのは先日のフライングしかない」と振り返る。

 誇りに思う最年長記録を聞かれ「出走回数ですね。事故なく走ることが出走回数になる。長くやっていることもありますが、違反、事故で乗れなくなることもありますから」と話すなど、レースに参加し続けることを目標にしていた加藤。舟券の売上金が返還になり、自らも出場自粛となるフライングが極端に少ない選手として知られ、今回のフライングは56年、1万4652回走った現役生活でわずか25回目だった。

 「家族には(6日に)レースが終わって帰ってから妻だけにやめるからと言いました。まだ走りたかったという部分も当然あります。100%の気持ちでやめるとは言い切れない。未練たらしいようですが…」と、気持ちの整理がつかない現在の心境を口にした。

 「今後の予定?全くありません。年なので、ゆっくり遊びたいというのもありません」。ボートレースの歴史とともに駆け抜けてきた加藤が静かに勝負の世界から身を引いた。

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