菜七子ひな祭りの日に川崎でデビューへ
JRAは11日、16年度の騎手免許試験合格者6人を発表。藤田菜七子さん(18)も見事に合格し、史上7人目、00年の西原玲奈騎手以来となる16年ぶりのJRA女性ジョッキーが誕生した。注目のデビュー戦には、3月3日の川崎競馬が浮上。“ひな祭りデビュー”が実現すれば、盛り上がること間違いなしだ。
記者会見場に詰めかけたテレビカメラ4台、新聞社が約20社。超異例とも言えるほどの盛り上がりだ。「卒業することはできたけど。ちゃんとした形で合格と出されるとホッとします」。胸をなで下ろしながら、藤田菜七子さんは愛くるしい笑顔を振りまいた。
小学校6年生の時に騎手を目指し、美浦トレセンの乗馬苑へ。「ダイワスカーレットが好き」とG1・4勝の歴史的名牝に魅了され、厩舎実習中には「競馬に対する姿勢を尊敬している」というニュージーランドの女性騎手リサ・オールプレスからアドバイスをもらった。「ダービーを勝ちたい。牝馬が好きだからオークスも」。夢へ近づき、大きな瞳を輝かせた。
西原玲奈以来、16年ぶり、JRA史上7人目の女性ジョッキー。周囲の期待に応えるべく、粋な計らいを企画したのが師匠の根本師だ。注目のデビュー戦について「女の子だからね。ひな祭り(3月3日)なら盛り上がる」と仰天構想を口にする。通常の新人は3月に入って最初の中央競馬で実戦デビュー(今年は5日)するが、前倒しして川崎競馬の地方競馬指定交流競走で一足早くデビューするプランが浮上している。
騎乗予定馬のレガリアシチー(牡6歳)は母名がヤマトナデシコ2で、まさにうってつけの馬。既にオーナーの了承を取っており、あとは事務手続きの問題をクリアすれば晴れて“ひな祭りデビュー”が実現する。13年増沢由貴子の引退を最後に遠ざかっていた女性騎手。プロとしての第一歩は、最高の舞台設定となりそうだ。