菜七子、実力示す騎乗で大フィーバー

 16年ぶり7人目のJRA女性ジョッキーとなった藤田菜七子騎手(18)=美浦・根本=が同期5人よりもひと足早く、3日の南関東競馬・川崎競馬場で“ひな祭りデビュー”を果たした。6鞍に騎乗して残念ながら未勝利に終わったものの、初勝利への手応えを感じさせる好内容となった。競馬場には通常の倍近い7214人のファンが詰めかけ、63社137人のマスコミが殺到。“菜七子フィーバー”の一日となった。

 話題先行ではない。運命の騎手デビューの日に、菜七子が躍動した。「前日もバッチリ寝られた」と万全の状態で挑んだ1R。他馬がゲート内で立ち上がった影響で10分以上も遅れてのスタートとなった初陣は「自分の位置を取れなかった」と不完全燃焼に終わったが、緊張のほぐれた3戦目の5Rで魅せた。

 4番人気ミスターナインワンとともに中団で脚をため、直線外から加速。「これは勝てる」と必死にムチを振るうも、頭差届かず2着。12Rのポッドライジングも果敢な先行策で3着に入り、6戦中4戦で掲示板確保の安定感を披露した。それでも「きょうは30点。自分の思っていた競馬ができなかった。追う技術が先輩はすごい」。厳しい採点はプロとしての自覚なのかもしれない。

 「スタートするまでは胃が痛かったよ」と語った師匠で元騎手の根本師は、好レースを続ける菜七子の姿を見ながら、「俺のデビュー戦よりうまい」とニンマリ。実力を示す騎乗ぶりに「今度は高知で別府真衣ちゃんと一緒に乗せてあげたいんだ」と、国内女性現役最多勝&抜群の人気を誇る美人ジョッキーと夢の競演プランを口にした。

 高知競馬では年に1~2回、交流競走を実施。直近のはりまや盃(15日、ダート1400メートル)は6日にJRA所属馬が決定し、4~5月にも1鞍組まれる見込みだ。まだ具体的な話は決まっていないが、この日の活躍ぶりなら他の陣営から依頼が来る可能性も十分だろう。“菜七子・協奏曲”はまだ始まったばかり。中央、地方問わずに多くのファンを巻き込んでいくに違いない。

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