【スプリングS】ロブソンしぶとくV
「スプリングS・G2」(20日、中山)
4番人気のマウントロブソンが3連勝で重賞初V。ディープインパクト産駒は7週連続重賞Vを決めるとともに、父サンデーサイレンスの産駒が06年に記録したJRA年間重賞10勝最速到達も達成した。堀師は昨年のドゥラメンテに続く皐月賞(4月17日・中山)制覇を狙う。2着マイネルハニー、3着ロードクエストまでが本番の優先出走権を獲得。重賞初騎乗となった藤田菜七子騎乗のモウカッテルは9着に敗れた。
「黒、青袖、黄のこぎり歯形」。勝負服に受け継がれる遺伝子が中山の急坂を征服する。坂を上り切ってからもう1段ギアを上げたマウントロブソンが、インぴったり逃げ込みを図るマイネルハニーを首差きっちりとらえ、3連勝で皐月賞最終トライアルを制した。
自らが所有するクロフネの半妹ミスパスカリに、最高傑作ディープインパクトをつけて生まれた芦毛馬。「母系も含め、自分の血統だからね。幸せ過ぎるくらい。展開も向いた」。金子真人オーナーが満面の笑みで語る。
だが、レースはオーナーが言うほど楽な内容ではなかった。最内枠を利すことのできる好発を決めたが、1角は外からかぶされてインに閉じ込められた。向正面では左後方にピタリとつけられて外に出せず。ようやく前の視界が開けたのは、後方から進めた断然人気馬ロードクエストらが進出してくる蹄音が聞こえてくる4角を回ってからだった。
「すごく利口で乗り難しさもない馬。でも道中でもっとスムーズだったら、もう少し楽な勝ち方ができたかもしれない」。そう振り返ったドイツの名手シュタルケは「これからもっと良くなっていく馬だし、距離が延びていい。2400メートルも大丈夫だよ」と皐月賞ばかりか、ダービーまで見通せると力説した。
金子オーナーは、弥生賞馬マカヒキとともに有力馬2頭を本番に送り込む。「どっちが強いかって言われても困っちゃうよ。でも、タイプは全く違うね。どっちも自分の型で勝っているから」。ともに3連勝中の2頭で、父ディープインパクトが3冠を達成した05年以来となる牡馬クラシック制覇を狙う。