「桜花賞・Ｇ１」（１０日、阪神）

　５戦４勝のメジャーエンブレムにアルテミスＳで土をつけたのがデンコウアンジュ。ここ２走の結果こそ振るわないが、調整は順調そのもの。

　重賞ウイナーの意地を見せる。昨秋、未勝利、アルテミスＳを連勝したデンコウアンジュが虎視たんたんと一発を狙っている。

　「東京で桜花賞をやってくれたら、ね」。５日、佐藤助手が冗談交じりに笑う。東京コースといえば重賞勝ちしたアルテミスＳ。直線の坂上で抜け出した１番人気馬メジャーエンブレムを、後方から直線一気の末脚で差し切った。２着に敗れたメジャーエンブレムはのちに２歳女王の座に輝き、前走のデイリー杯クイーンＣも快勝。“絶対女王”に土をつけたのはデンコウアンジュただ一頭だけだ。

　２走前の阪神ＪＦは７着に敗れたが、勝負どころで外へ振られた影響もあったという。「当てられたから。“あれでハミが抜けた。もっと脚が使えていた”とジョッキー（川田）も言っていた」と力負けではないことを強調する。

　約３カ月ぶりだった前走のチューリップ賞をひと叩きし「上積みはありますよ。ケイコからもそれを感じる」と仕上げ人。「２歳の段階では完成されていなかったから、まさか活躍するとは思っていなかった。暮れよりも力強さが出ているし、今は重賞勝ち馬って感じになった」と成長ぶりに目を細める。

　メジャーエンブレムはＧ１馬として一歩先を進んでいるが、対戦成績は１勝１敗。「記念受験じゃない。重賞勝ち馬として堂々と出られる。状態もいいからね」。２歳女王を負かした素質馬が大舞台で反撃する。