【南関東競馬】タービランスまず1冠
「羽田盃・S1」(20日、大井)
1番人気のタービランスが好位から力強く抜け出して快勝。南関東3冠の1冠目を奪取した。森泰斗騎手はうれしいクラシック初勝利。首差の2着に3番人気トロヴァオ、3着は6番人気ジャーニーマン。2番人気グランユニヴェールは5着に敗れた。なお、上位馬5頭には東京ダービー(6月8日・大井)の優先出走権が与えられる。
息詰まるゴール前の攻防を首差しのいだタービランス。南関東クラシック初制覇となった森が、満月の夜空へ向けて高々と左手を突き刺した。
「後ろから(2着馬が)来ているのは分からなかった。遊ばせないようにするので必死でした」と汗をぬぐった。1頭になると気を抜いてしまう癖があるパートナーに、細心の注意を払った好騎乗が光った。
8日の大井競馬で落馬し左第五中足骨を骨折。先週の船橋開催を全休した。「まだ痛いけど、この馬に乗りたかったので」と執念の騎乗だった。98年に足利競馬でデビュー。一度は騎手免許を返上した。紆余曲折のあったジョッキー人生だが、14年に待望の南関東リーディングを奪取。昨年は全国リーディングも手にした。高崎競馬出身(04年廃止)の水野貴師も安堵の表情だ。「前走後にトモに疲れが出て調整が難しかったけど、勝ててホッとしました。(森)泰斗がうまく乗ってくれた」と北関東出身の後輩をたたえた。
さあ、次は2冠目の東京ダービーへ。「あこがれの舞台。勝てるようにさらに腕を磨いていきたい。ともに苦労した先輩の馬で勝ちたい」と森は改めて2冠奪取へ決意を新たにした。