【アルテミスS】リスグラシュー快勝 武豊も絶賛「素質があふれている」

 「アルテミスS・G3」(29日、東京)

 428キロの小さな体を目いっぱいに弾ませると、馬場の真ん中を堂々と先頭で駆け抜けた。1番人気のリスグラシューが名手・武豊を背に快勝。前走の阪神で未勝利戦を2歳レコードVの逸材が、重賞の舞台で“本物”を証明した。

 「理想的な競馬ができましたね」。初騎乗の武豊が満足げに口を開く。中団やや後方で様子をうかがい、ペースが遅いとみるや早めに進出。直線では自慢の瞬発力を披露し、上がり3F33秒5の末脚でフローレスマジックの追撃を封じた。「抜け出す時の脚がいい。まだ右、左にヨレるところはあるけど、素質があふれている」と将来性に太鼓判だ。

 「ジョッキーも“まだフラフラしている”と言っていた。体もできていないし伸びしろがある。能力は高い」と語る矢作師は、クラシックへの手応えを隠さない。「本当は2000メートル以上の馬。桜花賞よりオークスと思っていた。マイルで勝てたのはうれしい」と笑顔でうなずく。

 今後は放牧を挟んで阪神JF(12月11日・阪神)へ。香港国際競走と同日のため、エイシンヒカリで遠征予定の武豊は騎乗不可。鞍上の争奪戦が予想される勝ちっぷりに「誰か探さないと」と悩む指揮官だが、その表情は決して暗くはなかった。

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