「ファンタジーＳ・Ｇ３」（５日、京都）

　２戦目もまた、圧巻の勝利だった。新馬戦の勝ちっぷりから、単勝１・４倍と断然人気に推されたミスエルテが、豪快な差し切り勝ち。初重賞の壁をたやすく乗り越えた。

　上がり３Ｆ３３秒６の末脚も強烈。だが、それ以上に、出遅れからの直線大外一気が大物感を際立たせた。「強かったですね。想定とは全く違う競馬になってしまいましたが、無事に一番いい結果になって良かったです」と川田は胸をなで下ろす。

　横を向いた瞬間にゲートが切られたため、１頭だけ遅れてスタート。それでも鞍上は慌てない。ペースは遅かったが、ゴーサインは４角から。追いだされると、まるで勢いが違った。直線入り口では逃げ込みを図る２着馬と大きな差があったが、ゴール前できっちりとらえると、最後は流す余裕すらあった。

　「まだまだ全力で走っているわけではない」と川田がさらなる伸びしろを示唆すれば、３週連続重賞勝利となった池江師も「まだギアはあると思う。肩ムチしか入れていないからね」と胸を張る。

　短期放牧を挟み、同じフランケル産駒の２戦２勝馬ソウルスターリング（美浦・藤沢和）などの強敵が待つ阪神ＪＦ（１２月１１日・阪神）へ。底知れぬスター候補が、常識外の走りで２歳女王にリーチをかけた。