【JC】武豊スタート直後の“けん制球”で勝負アリ 勝つべくして勝ったキタサン

逃げ切ってJCを快勝したキタサンブラック(右手前)=東京競馬場
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 「ジャパンC・G1」(27日、東京)

 1番人気に推されたキタサンブラックが、昨年の菊花賞、今年の天皇賞・春に続いてG1・3勝目を挙げた。最内枠から好スタートを決めてすんなりハナへ。直線で余力十分に追いだすと、後続に2馬身半という決定的な差をつけて逃げ切った。2着は5番人気のサウンズオブアース。3着には6番人気のシュヴァルグランが入った。

 好スタートからハナを奪ったキタサンブラック。2F目に武豊は11秒3と速いラップを踏み、競りかける意思を若干見せた他馬にけん制球を投じた。以後は後続を離しながらの独り旅。自分の形に持ち込んだ時点で、完全に勝負アリだ。

 道中で作った貯金により、本来なら流れがタイトになるべき3~4角でマイペースを守れている。直線に入ってからスパートし、後半3Fは11秒2-11秒4-12秒1。切れがそがれる今の馬場で、逃げ馬の上がり3Fが34秒7。超S級の馬でない限り、差し切りが困難な流れを演出した鞍上の手腕はさすがだ。

 一方、2番手グループはやや仕掛けのタイミングを逸した感もある。その中で早めに押し上げ、4角2番手までポジションアップしたのがリアルスティール。結果的にスタミナ切れで5着に敗れたとはいえ、ムーアの騎乗にファンも納得したのではないだろうか。勝ち時計=2分25秒8を含め、展開は単調でやや面白みに欠けた印象。ただ、国内外の名手が光るモノを見せたのもまた事実である。

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