【競輪】村上義弘、涙のV2「速く走れなくても勝てる」近畿の絆証明

 「KEIRINグランプリ2016」(30日、立川)

 村上義弘(42)=京都・73期・SS=が稲垣裕之マークから最終バックで番手まくりを決めて涙のV。2012年の京王閣以来となる2回目のグランプリ制覇を成し遂げた。年間賞金獲得額2億円突破は延べ8人目となる快挙。2着には平原康多の仕掛けに乗って踏み込んだ武田豊樹。3着には武田後位に切り替えた浅井康太が入った。

 村上が2016年を最高の形で締めくくった。前を任せた稲垣が主導権を握ると、5番手からまくってきた平原に合わせて最終バックから番手まくりを敢行。最終3角で平原と体をぶつけ合いながら振り切ると、直線は武田の猛追も振り切った。

 「武田さんのスピードが良かった。(ゴールの瞬間)優勝できたか分からなかった」。無我夢中でペダルに力を込めてゴールを駆け抜け、スタンドのファンからの祝福の声で優勝したことを実感した。リオ五輪に出場した渡辺、中川や、競技と両立をしている新田、浅井らも撃破。「(競輪は)ただ速い人が勝つわけではない。速く走れなくても勝てることを証明できた」。近畿の絆を証明できたことを喜んだ。

 今年は最悪のスタートだった。初戦の1月の和歌山記念初日特選でゴール後に落車。2月の静岡記念では準決で失格となった。それでも、どんな時も自分を信頼してくれる近畿の仲間にもり立てられてきた。3月の名古屋の日本選手権では三谷竜生-川村晃司の3番手から抜け出して優勝。グランプリの出場権を獲得した。今回も同郷の後輩である稲垣の仕掛けに乗って、勝利をつかんだ。レース直後のインタビューでは「今年は本当に苦しかった」と涙で声を詰まらせていた。

 2017年はグランプリ王者の証しである1番車で激しい戦いに挑む。「1番車にふさわしいか疑問だが、一生懸命頑張りたい」と気合を入れ直した。1月8日から始まる地元近畿地区の和歌山記念から、新たな戦いが始まる。

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