【根岸S】カフジテイク末脚さく裂 福永も驚き「すごい脚」、出遅れも響かず
「根岸S・G3」(29日、東京)
驚異の末脚だ。4角後方2番手から、1番人気のカフジテイクが大外一気の差し切りVを決めて重賞初制覇。フェブラリーS(2月19日・東京)の優先出走権をゲットした。初コンビとなった福永は今年の重賞初Vで、自身21年連続での重賞勝利となった。2着に3番人気のベストウォーリア、4番人気のエイシンバッケンが3着だった。
“他の馬が止まって見える”とはこのことだろう。絵に描いたような大外一気。カフジテイクが4角後方2番手から怒濤(どとう)の追い込みでけりをつけた。ダート戦で上がり3F34秒5は、めったにお目にかかれない驚速の数字だ。
“お約束”とばかりにスタートは遅れた。いつも通り後方からの競馬。初コンビの福永も腹をくくって直線勝負に出たが、「もう少し前めのポジションでと考えていたが、スタート、行き脚ともにイマイチ。でもすごい脚で差し切った。馬が頑張ってくれた」と、想像以上の末脚に驚きを隠せない。
3走前のグリーンチャンネルCを勝って覚醒した。続く武蔵野Sでは先行有利の流れの中、最速の上がり3F(34秒2)で3着に突っ込んだ。G1初挑戦となったチャンピオンズCでも、見せ場十分の小差4着に健闘。一戦ごとに末脚はパワーアップしている。
この勝利でフェブラリーSの優先出走権を獲得。湯窪師は「1馬身も抜けるとは。去年の休み明けよりも今回はずっと体調が良かった。次も出遅れるだろうし、自分の形で競馬をするだけ。最近はずっと内枠だが、外枠ならまた違うと思う」と早くも外枠を願った。
本番での有力候補にのし上がったのは間違いない。福永は「きょうのような競馬だと負担がかかる。スタートとかは修正したいが、勝たないと次が厳しい競馬できっちりと結果を出した。本番は相手が強化するし斤量も増える。課題はある」としながらも、「楽しみの方が大きい」と最後のワンフレーズには力を込めた。