【ボート】今村貫禄V3 まさに名人の中の名人
「マスターズチャンピオン・プレミアムG1」(16日、津)
1号艇の今村豊(55)=山口・48期・A1=がインからコンマ11のトップSを決めて押し切り優勝。マスターズは11年とこなめ、15年児島に次いで史上最多となる3勝目。2着はエース機の威力を発揮した野長瀬正孝。3着は三角哲男が入った。
最後まで主役の座は渡さなかった。人気を集めた今村がインからコンマ11のトップSを決めて1周1Mを先マイ。カドから攻めてきた三角を難なく退けてみせた。「三角君が見えたが、先に回ってサイドが掛かった時点で行けると思った。全てが完璧だった」と充実した表情を見せた。
「気持ちがこみ上げてきた」とゴールの瞬間には珍しく派手なガッツポーズを見せたが、これには大きな理由があった。「実は昨年5月のオールスター(尼崎)で左足の小指を骨折。その後はずっと悪い状態のままレースを続けていた」。優勝自体も昨年5月の徳山以来、約1年ぶり。久々のVに感慨深いものがあったのだろう。
マスターズは11年とこなめ、15年児島に続き史上最多となる3勝目。名人の中の名人として君臨することになった。さらに、この優勝で来年のSG・クラシック(18年3月16~21日・浜名湖)の出場権に加えて、SG・オーシャンカップ(7月12~17日・まるがめ)の出場も濃厚になった。今後のことを聞かれると「浅田真央ちゃんじゃないけど、もういいでしょう」と笑いを誘いながらも「目標は本当にない。この年齢だし、目の前のレースを一生懸命に走るだけ。若い選手にしがみついて行くよ」とニッコリ。まずは次節、芦屋での全24場制覇に注目が集まる。
来年からは出場資格が45歳以上とマスターズは大きく変わる。「出られれば“おかず”にならないように頑張りたい」と今村節がさく裂。今後もまだまだ“艇界のプリンス”と呼ばれるような若々しい走りを見せてくれるはずだ。