【天皇賞】ディーマジェスティ2強に待った 6着日経賞は“試走”
「天皇賞(春)・G1」(30日、京都)
2強対決に“待った”をかけるのは復活を期す2頭のG1馬だ。昨年の皐月賞馬ディーマジェスティは、最終追い切りを前に、ここまでは順調な調整をこなしてきた。昨年秋は尻すぼみに終わったが、休養を挟み、日経賞を使って状態は確実に上向き。また、2年前の有馬記念を制したゴールドアクターも、昨年の天皇賞・春で惨敗(12着)した反省を生かして、今回は新たな対策を練っている。
中山競馬場でブリーズアップセールが開催された25日、閑散とした美浦南の調教スタンドで、二ノ宮師が愛馬の動きに目を凝らす。ディーマジェスティは角馬場からWコースへ。スタンド前から超スローのキャンター。直線に向いて徐々にスピードを上げ、伸びやかなフォームで駆け抜けた。
二ノ宮師は「1週前追い切りの後も少し太かったから、長めを乗っている。リフレッシュして雰囲気がよくなった。ここ目標に日経賞を使い、順調に来られた」と、のんびり引き揚げてきた馬の姿を見て目を細めた。調教パートナーを務めた佐々木助手も「昨年の秋よりはいいと思います」と、良化気配を感じ取っている。
前走の日経賞(6着)は完調手前だった。余裕残しの馬体が影響したのか、勝負どころで中山巧者らしいスパートが発揮できなかった。文字通りの試走とみていい。
3強と言われた日本ダービーの時は、2週前の軽い熱発が影響し万全ではなかったが、大接戦の3着と底力を見せた。問題は菊花賞4着をどう取るか。サトノダイヤモンドを負かしに行っての完敗。最大の敗因が距離なら、さらに1F延びるのはマイナス要素になる。
しかし、二ノ宮師は「もう少し背中のラインが伸びるといいんだが。いや、距離が長いという意味じゃない。今回は精神的に追い込まないよう調教してきた。皐月賞の時に比べて?どうかな」と言う。相手関係は絶対に言及しない同師。内心、皐月賞の出来に戻ればと期待しているのは間違いない。