【天皇賞】サブちゃん、孝行息子のレコードVに「レコード出すのは私の仕事」
「天皇賞(春)・G1」(30日、京都)
1番人気キタサンブラックが、最終4角で先頭に立ち後続を完封。G1・5勝目を挙げるとともに、史上4頭目の連覇を果たした。06年ディープインパクトの記録を0秒9上回る、3分12秒5のJRAレコードでのVだった。
検量室前で身を乗り出して待っていた。北島三郎オーナー(80)は、下馬した武豊にいの一番に歩み寄ってハグ。春の盾連覇の喜びを全身で表した。従来のJRAレコードを0秒9も大幅に更新しての完勝。「“レコード”を出すのは私の仕事なんですけどね」。孝行息子の初のレコードVに感激もひとしおだ。
白手袋で合掌して天皇盾を受け取った際も、スタンドからあふれんばかりの声援に包まれた。
「武さんが頑張ってくれて、調教師が馬をつくってくれて。大勢の人が応援してくれて、感動した。おめでとうという言葉が、ズシッとこたえます。オレの子なんだと思いつつ、たくさんの人に支えてもらってる。夢なんだな…」
声援の中、複雑な感情が湧いた。意識したのはこの秋に検討されている凱旋門賞挑戦。「かわいい息子を遠い空のかなたにやるのは寂しい気持ちもある。でも、これだけの応援があって、武さんが乗ってくれるなら。この道を歩んでいこうという気になった。きょうからフランス語を勉強しようと思います」
日本競馬の夢を背負ってトリコロールの秋空へ-。オーナーは前向きだ。