【ボート】平尾崇典が児島V20
「第33回鷲羽杯」(7日、児島)
ゴールデンウイーク最終日の日曜日に行われた優勝戦は、1号艇の平尾崇典(44)=岡山・78期・A1=逃げて優勝。圧倒的な人気に応え、昨年10月児島以来となる2017年の初V。地元児島ではSGを含め通算20回目の優勝を飾った。
今節の準優勝戦は、予選1位の吉田拡郎が3着、2位の小畑実成が2着となり、ただ1人準優で逃げた予選3位の平尾が優勝戦の1号艇。風向きがコロコロと変わる最終日のコンディションの中、コンマ07のSを決めて逃げ切った。
優勝戦は岡山5人と広島の船岡洋一郎(30)=98期・A2=が対決。平尾は前節V機を手にした船岡を最も警戒していた。「正直、船岡君が怖かった。エンジンの力が違うし、彼は広島支部の中で市川哲也さんに次ぐS力を持っている。ただ速いだけでなく、ダッシュの乗せ方がうまい」と準優でも2コースから小畑を差し切った船岡の存在を脅威に感じていた。
優勝戦は1コースからコンマ07の平尾とコンマ06を踏み込んだ船岡の一騎打ち。「Fをしてはいけないが、勝たなくてはいけない。相手が船岡君じゃなければSを放りたかったが、フルダッシュで行った。全艇の動きを見て、船岡君以外が後ろにいたので、船岡君にやられないターンをした」と最後もしっかりと逃げた。
今節、平尾が手にした56号機は、3月のSG・ボートレースクラシックで松村敏(33)=福岡・92期・A1=活躍した好素性機。だが、平尾にとっては我慢を強いられたシリーズだった。
「規定内だが、ヒビが入っているために大きく叩けない。形はクラシックの松村君から変わっていないと思うが、その頃とは気温が違う。チルトを上げて対応したが、インしか勝つことができなかった」
事実、クラシックV機は新ペラ交換後にパワーダウン。新ペラ交換にはリスクが伴うことも確か。クラシック開催時に10度前後だった気温が23度まで上昇する中、プロペラを温存して戦い抜いた平尾が最後に優勝をつかみ取った。