【オークス】リスグラシュー もう銀はいらない!矢作師「2着では評価できない」

 「オークス・G1」(21日、東京)

 阪神JF、桜花賞とG1連続2着のリスグラシューが17日、“三度目の正直”に向けて好調をアピールした。矢作師の直感で最終リハはいつもの栗東坂路ではなくCWへ。半マイルの追い切りだったが、ラスト1F12秒0とシャープな伸びを披露した。アルテミスSで重賞初Vを決めた府中を舞台に、念願のビッグタイトル奪取を狙う。

 “感性”を信じた。リスグラシューの最終リハは栗東CWで単走。半マイルから発進すると、直線も外ラチ沿いで、気持ち良さそうに四肢を伸ばす。ラストはゴーサインに応えて弾むように伸び、4F52秒3-38秒1-12秒0。手綱を取った坂井(レースは武豊)は「良かったですね。反応も抜群でした」と手綱越しに感じ取った好感触を伝えた。

 当初、これまでの最終追い切りと同じく栗東坂路で追い切るプランもあったが、矢作師は「きのう馬を見ての“フィーリング”。オークスというのも考え、スタッフと相談して(CWでの)半マイル追いに決めた」と自身の感性に従った。「よく見えましたね。上積みは疑問だが、今回はより適性に近い距離のレースだし、そこまで上積みは必要ないと考えている。3歳の牝馬だし、維持できていれば十分」と言い切った。

 昨年の阪神JF、前走の桜花賞とG1で連続2着。レベルが高いと言われる現3歳牝馬世代でも常に上位争いをしているが、「我々の世界は2着では何も評価できない」と、指揮官は納得することはない。桜花賞後は短期放牧を挟み、レース3週前の2日に帰厩。予定通りの調整を消化し、既に臨戦態勢は整っている。

 主戦の武豊は10日に栗東坂路で1週前デモに騎乗。「いい動きをしていたし、状態はいい。桜花賞も良かったけど、同じような感じ」と好調キープを実感する。舞台は初コンビとなった昨秋のアルテミスS制覇以来となる府中。「1回走って勝っているし、合っている。距離はやってみないと分からないけど、今までのレース内容からすれば、マイナスにはならない」と不安視はしていない。

 桜花賞馬や2歳女王など相手は強力だが、矢作師は「厳しい戦いになるとは思うけど、それでも(勝利への)最短距離にいる自負はある」とキッパリ。人馬の執念を実らせ、三度目の正直でビッグタイトルをつかみ取る。

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