【オークス】ソウルスターリングV怪物娘証明 藤沢和師13年ぶりクラシック制覇

 笑顔で手を上げる(左から)藤沢和師、ルメール、吉田照哉代表
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 「オークス・G1」(21日、東京)

 1番人気のソウルスターリングが好位から鋭く抜け出しV。2歳女王が桜花賞3着から見事に巻き返した。史上2人目となるJRA重賞通算100勝をマークした藤沢和雄調教師(65)=美浦=は、04年桜花賞(ダンスインザムード)以来となる13年ぶりのクラシック制覇となった。2着は6番人気モズカッチャン、3着は2番人気アドマイヤミヤビ。桜花賞馬レーヌミノルは13着に沈んだ。

 名伯楽の大記録達成は、桜の雪辱を見事に果たす痛快な勝利となった。1番人気のソウルスターリングが好位から末脚を伸ばして完勝。桜花賞で3着に敗れ、初めての敗戦を味わった怪物の娘が、樫の舞台で見事に女王の座に返り咲いた。

 好発を決めて好位を確保。3角手前から徐々にポジションを上げ、4角で先頭に並びかける“横綱相撲”を展開する。直線で外へ持ち出すと、ラスト1Fでモズカッチャンが内から猛追したが、最後は逆に突き放して、改めてその強さを見せつけた。

 藤沢和師にとっては、大台に到達するメモリアルVだ。史上2人目となるJRA重賞100勝を達成。「向正面でいい感じだったし、あそこからペースが遅くならなければ大丈夫だと思った」とレースを振り返る。未知となる2400メートルが舞台。高い能力があっても、道中でリズムを崩しては最後まで持たない。リラックスして走る愛馬の姿を見て、勝利の手応えをつかんだ。

 それでも何が起こるか分からないのが競馬だ。「長い直線だったね」と本音がポロリ。ゴール前の攻防は百戦錬磨の名トレーナーも力が入ったようだ。尾形藤吉元調教師以来2人目、貸付馬房数に上限が設けられてからは初の重賞勝利3桁到達には「いいオーナー、いい騎手に応援してもらった。それだけにもう少し早く達成できたはず。足踏みしてすみません」。偉業達成の喜びよりも、これまでの失敗への反省を口にした。

 5戦4勝で牝馬世代最強を誇示したソウルの今後について、トレーナーは「夏は休養に充て、秋はオーナーと相談し、世代などにこだわらずにレース選択をしたい」。古馬牡馬への挑戦も示唆したように、14戦無敗のまま引退した“怪物”フランケルの娘に無限の可能性を感じている。

 “偉業”の次は“悲願”だ。大記録を成し遂げた日本を代表するトレーナーが手にしていないのが牡馬クラシック、そしてダービートレーナーの称号。今年の競馬の祭典には有力馬レイデオロを送り出す。「私が力を入れるとろくなことがない」。そうおどけてみせたが、この日の勝利で大きく勢いがついたのは間違いない。

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