【ボート】世代交代に待った!平尾崇典がGW、お盆で地元児島連続優勝

「第35回天領杯」(15日・児島)

 児島ボートお盆恒例の第35回天領杯は3号艇の平尾崇典(44)=78期・A1=がまくり差しで優勝。次節に児島代表としてSG・ボートレースメモリアル(22~27日・若松)出場を控えた1号艇の吉田拡郎(35)=90期・A1=と6号艇の茅原悠紀(30)=99期・A1=を2、3着に従え、堂々Vゴールを駆け抜けた。

 優勝戦には地元5人と大阪支部の岡村仁(33)=95期・A1=が出場。予選は3位通過の平尾だが、機力面では劣勢。準優は辛くも1着ゴールだが、茅原に0・1秒差まで追い上げられた。平尾は準優後、すぐにプロペラ調整を開始。「このままでは勝てない。全然違う形にして勝負する。拡郎と茅原に勝つには全速のまくり差ししかない。落として回ることは考えられない」と朝一番にボートを降ろして全速ターンを体に叩き込んだ。

 優勝戦はインの吉田がコンマ09のSを放つも、2コースの岡村がコンマ25とへこんだスリット。コンマ13のSを決めた平尾は「速いSは行けないが、恥をかかない程度には決めようと思っていた。岡村君が遅れた時点で、拡郎との勝負だとハンドルを入れた」とこん身のまくり差しで切り込んだ。

 ゴールではクールな平尾がガッツポーズでファンにアピール。「お盆なので、応援してくれる子供たちが多いと思って頑張った。ありがとう」と表彰式に駆け付けた大勢の子供たちに熱いメッセージ。最前列中央で応援していたボートレーサー志望の中学生に優勝トロフィーをプレゼントした。「年々若い選手が上手になって、お盆や正月は苦しい戦いになる。今節はエンジン力ではなく気持ちで走った。本場に足を運んでボートの爆音を聞いて欲しい」と地元ファンの大声援に応えた。茅原、吉田の台頭で、15年のボートレースメモリアル以降SGの舞台から遠ざかっている平尾だが、3年ぶりにボートレースダービー(10月24~29日・平和島)出場権を獲得。「拡郎と茅原はいるが、やっぱり児島は僕」とキッパリ。地元強豪が集結するGW、お盆の連続優勝で、44歳の平尾が世代交代に待ったを掛けた。

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