【北九州記念】ダイアナヘイロー快時計 小倉で好仕上がり
「北九州記念・G3」(20日、小倉)
破竹の4連勝で一気に重賞タイトルを手にするか。降級を機に500万下、1000万下、準オープンをぶっこ抜いたダイアナヘイローが16日、小倉芝で一杯に追われ、6F76秒9、ラスト1F11秒5の快時計をマークした。前走後に現地滞在を選択したことで仕上がりは上々。管理する福島師は来春定年を迎える。勝てば97年の同レースを制したダンディコマンド以来となるタッグでの重賞Vとなるだけに、武豊も気合十分だ。
夜明け前にとどろいていた雷鳴がやみ、雲の切れ間から朝日が差し込み始めた午前7時過ぎ。嵐の去った小倉競馬場の芝に脚を踏み入れたダイアナヘイローは静寂を切り裂き、鋭いフットワークを繰り出した。雨を含み、クッションの利いたターフの心地良い感触を楽しむかのように、ストレスなく加速。小気味のいい脚さばきでコーナーをクリアすると、軽快感満点の走りでゴール板を貫いた。
前走後は小倉滞在を選択して、6F76秒9-38秒1-11秒5を刻んだ最終追い切り。「テンは少し速くなりましたが、しまいはしっかりしていました。うまく雨も上がってくれて、クッションのいい馬場でやれて良かったと思います」。手綱から伝わって来た感触を確かめた原田助手は、曇りのない表情で切り出した。
6月の降級戦を起点に3連勝。昨年のフィリーズレビュー(4着)以来となる重賞アタックを夏の小倉で実現させた。チャレンジャーの立場ではあるのだが、スプリンターとしての才能を開花させつつあるのは、間違いない。
環境にも慣れ、カイバの食いも良好。落ち着きがある中にも、自分からという積極的な面も出てきているという。原田助手は「前回はあと1Fからしっかり伸びましたからね。脚質に幅が出てタメが利くようになってきています」と成長を実感。ペアを組む武豊は「福島先生は来年2月で(定年)引退されますから勝ちたいですね」と胸の内を明かす。最後の夏となる指揮官のために、という思いも乗せて、スプリント決戦に挑む。